外国人とお見合いします!
お姉ちゃんがそう笑いながら、はちみつレモンの入ったカップを私に渡す。

「ありがとう」

私は一気にはちみつレモンを飲み干し、ゴロンとソファの上に横になった。

「桜、ちょっといいか?」

お姉ちゃんと学校であったことを話していると、お父さんがリビングに顔を出す。私が「何?」と言うと、「こっちに来なさい」と手招きする。

私はダルい体を起こし、お父さんのところへ行く。お父さんは私を和室へと連れて行った。

「今朝、イタリアの人がお父さんの勤めている会社で働いていると言ったね?」

「うん」

「実は……その人がお前に会いたいそうなんだ」

「うんうん……へっ!?」

一瞬、お父さんが何を言っているかわからなかった。会いたい?私に?

「日曜日に会ってみないか?いい人だぞ?」

「それって……お見合い?」

「まあ、そうだな」

私の胸がドキドキしていく。こんなこと、生まれて初めてだ。

「……別に、いいよ?」

私がそう言うと、お父さんは「わかった」と微笑んだ。
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