Goodbye, Love Junky!!
冬の入り口はあまり好きじゃない。
急に寒くなって誰かとくっついていたくなる。
彼女のいない俺にとっては、人肌カイロになってくれるのは友人くらいしかいないのだけれど。
「あ、……」
A組の前で、足が止まった。
一番後ろの机で黙々とペンを走らせる川橋さん。
悩んで、またペンが紙をひっかく。
1問解き終わったのか、ひとつ、大きな伸びをしたときこっちに気付いた。
「坂田くんじゃん。今日も残ってたの?」
「うん……、ちょっと考え事してて。」
「考え事……?進路とか……?」
いや、あなたのことなんですけど。
進路のことはほんとにテキトー。
行けるとこに行く予定だから悩むも何もない。