先輩、これって恋ですか?

「お腹いっぱいになったら眠くなるじゃん」

「その時は智紘先輩だけ空き教室に行けばいいじゃないですか…。」

「そういう話じゃないの!」


目の前でぷくぅっと頬を膨らませて不満を表現しているであろう先輩が、なんだか可愛らしく見えてしまって

思わず笑ってしまった。


「あー、春香ちゃん何笑ってるの!」

「いや、つい智紘先輩が…」


“可愛くて”そう言いかける前にハッと気づいて口をつぐむ。


「智紘先輩が、の先は?」

「え、あーいやー…」


ま、まずい。

このままだと自滅しかねない…。


「春香ちゃん?」

「な、何を言うか忘れちゃい、ました。」


頬を掻いて、あはは…と笑ってみせるけど、先輩の視線がなんだか痛い。
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