先輩、これって恋ですか?
第2章
心拍数上昇中。
「最近の春香、すごく楽しいって顔してる」
「えっ……そう?」
わたし、どんな顔をしてるんだろ…。
そう思いながら無意識に頬をさする。
すると「あっ!」と声を上げて立ち止まる紬ちゃん。それにつられたわたしは二歩先を歩いたところで立ち止まり後ろを振り向くと、にんまりした紬ちゃんがわたしを見ていた。
「ふふっ。もしかして久遠先輩が関係してるのかな?」
「なななな! な、何言ってるの!?」
「あーやーしー」
「ち、違う違う!」
両手をブンブン振って否定をするけど、「焦りすぎだってばー」と言いながら笑う紬ちゃんは、まるでわたしの言葉など信用していないよう。
「春香ってば素直じゃないなぁ」
「う……。」
ダメだ…。
幼馴染みである紬ちゃんには何も隠し事なんてできそうにない。