先輩、これって恋ですか?


さすがのわたしもすでに限界を超えていて、ドキドキしすぎて死んでしまうんじゃないかというくらい、心拍数が早く感じた。

そんなわたしを見て、先輩は笑った。


「春香ちゃんに嫌われたくないから、そろそろ離してあげようかな」


そう言ってわたしの頭を優しく撫でた後、目の前から退いた。
そして壁に背もたれる先輩。


それと同時に今までの温もりが一気に消える。

─と、なんとなく寂しい気も、した。


え……、

なに。寂しい、って…。

先輩がやっと解放してくれてせいせいしてるはずなのに…



「春香ちゃん?」


──先輩の声で、ハッとする。


「どうかした?」

「…あ、…いえ、べつに」
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