先輩、これって恋ですか?
─と、すぐにわたしのスマホがピコンっと短い音が鳴った。
画面を確認すると大和先輩から届いていた智紘先輩の連絡先。
「俺から教えてもらったってのは内緒ね」
「どうしてですか?」
「あいつ、すぐ妬くからさー」
「…やく…?」
すると大和先輩は、「いつものことだけどな」そう言って、はははっと笑った。
……やく、って何を……?
それに、いつものことって……。
「まぁ、あいつのことだから大丈夫だと思うけど。でも、春香ちゃんの顔見たら一発で治りそうだけどね」
「えっ……わたし、ですか…?」
「うん。…それにあいつん家、親父さんと二人だから風邪薬なんか持ってなかったんじゃねーかなぁ」
……お父さんと二人暮らし…?
わたし、そんなこと一度も聞いたことない。
だって……智紘先輩、自分の話は全くしてくれないもん…。