先輩、これって恋ですか?


何度か智紘先輩の話を聞こうと思って聞いたことあったけど、すぐ逸らされちゃうというか…

……あんまり自分の話題には触れてほしくないとか……?


「放課後見舞い行ってやりたいけど今日、俺用事があるんだよね」

「…そう、なんですか」

「だからさ春香ちゃん。俺の代わりにあいつの様子見て来てくれない?」


「───え…?」


ちょ…っ、今、何て……。


「それに俺が行くよりも春香ちゃんの顔を見た方が、あいつも元気出るだろうからね」

「いや、…あのっ…!」



“無理だと”断ろうとしたその時、「あ、そうだ」と言って、ポケットから手を出した。─と、その手には何やら白い紙のようなものを持っていて


「はい、これ。」


─と、わたしに差し出してくる大和先輩。

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