先輩、これって恋ですか?
中庭で食べていると、廊下の窓から笑い声や楽しそうにお喋りする声があちこちから聞こえてくる。
「……楽しそうだなぁ」
「何が楽しそうなの?」
「!?」
突然声がして驚いて振り向くと、そこには男の人がいた。
「ねぇ、何が楽しそうなの?」
「……べ、べつに、あなたに関係ないです」
俯くと、その人が履いている上履きが目に入り、それが赤色だと気づき慌てた。
赤色。つまり、一つ先輩になる。
「あー、俺のこと知ってる?」
「…し、知りません」
「あれ。まじで…?」
有名人か何かだろうか、そう思い勇気を振り絞ってそーっと顔を見上げると、その男の人はとても整った顔をしていた。
いわゆる、イケメンという類。