先輩、これって恋ですか?
結局、その後は、
一度も起きなかった智紘先輩。
あんなこともあり気まずかったわたしは、お兄さんに買ってきた袋を預けて家を出た。
帰る間際、玄関までお見送りに来てくれたお兄さんに
「なんか元気ないけど、どうしたの?」
そう聞かれたけど、あんなこと言えるわけもなかった。
家に帰るまでの道のりで思い出すのは、智紘先輩にされたキスのことばかり。
何度も忘れようとしても、頭に浮かんできてわたしの心を乱す。
「……これからどうすれば、いいんだろう…。」
智紘先輩に好きな人がいると分かった今、わたしの心は複雑だった。
それがどうしてなのか
まだ、答えに辿り着けていない──。