先輩、これって恋ですか?
ドキドキと緊張の境界線。
翌日─。
「──え? …今、何て…」
「あのね、だから…昨日、智紘先輩のお見舞いに行ったんだけど、…その時に…」
“寝ぼけてキスをされた”という言葉を何度も言うのが、どうしても恥ずかしくて、カァっと顔が熱くなる。
「……久遠先輩に、キスされたの…?」
「う、うん…。」
「それで春香元気がないの?」
「あっ…いや、違っ…くもないけど…」
曖昧な答えにさっぱり意味が分からないといった顔をする紬ちゃんは、「他に理由があるの?」と言った。
「うん。…あのね、先輩好きな人がいるみたいなんだよね」
「え?」
「その好きな人とわたしを間違えて、多分。…き、キスしちゃったんだと思う」