先輩、これって恋ですか?

自分のことは自分がよく理解してるからこそ、不思議だったんだ。


「春香はさ、自分の評価を下げすぎだよ。それ、春香の悪い癖だよ」

「ち、違うの。……わたし、ほんとにダメな人間だから…。」


「ダメな人間じゃないって何度も言ってるでしょ? 春香は実は、すごく友達思いなところとか気配り上手なところとか、わたしちゃんと分かってるよ」

「紬ちゃん……」

「でも、人を極力避けちゃうから春香の良さが周りに浸透されてないの。それがすっごくもったいないなって思うの」


しゅん…と、まゆが下がった紬ちゃんの表情は、切なげに見えた。



「紬ちゃん…」と言いかけた時、切なげにしていた紬ちゃんが、わたしの肩にポンっと手を乗せて


「だからさ、春香。今年から少しずつ変わってみない?」

柔らかく微笑んだ。


「で、でも……」

わたしに変わることなんてきっと無理だよ…。
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