先輩、これって恋ですか?
「へぇ。俺のこと知らない人いんの珍しい」
少しずつ座っているところに近づいて来ていて、慌ててお弁当をしまい逃げる準備をしていると肩に手が置かれた。
「逃げるのなし、ね?」
わたしのすぐうしろに男の人がいるというだけで、背筋が凍った。
人生で初めてこんなことになり、どうやって切り抜けたらいいのか分からなくて固まったままになっていると、急に肩が軽くなり
そのタイミングで逃げようとお弁当箱を持ち、立ち上がろうとしたら───
「ねぇ、偶然ここで会ったのも何かの縁かもしれないし、俺と友達にならない?」
「か、からかうのは止めてください…っ!」
こんなキラキラした人が、わたしみたいな地味で平凡な人間を相手するわけない。
からかって面白がってるに違いない。
「先輩みたいな人…が、わたしに構うのは、ただの暇つぶし…なんじゃないですか…!」