先輩、これって恋ですか?
「この、“いちごロールパン”一番人気のやつで、めっちゃおいしいんだよ?」
「そ、それは…知って、ますけど…」
あまり購買へ行かないわたしでさえも、その評判を知っているのはクラスメートの中にもこの、いちごロールパンが好きな子がいるから。
「ほら、一口食べてみなよ」
「…遠慮しておきます。」
「おいしいのになぁ」とムスッとしながら唇を尖らせる先輩は不満そうに、いちごロールパンを見つめる。
あー、よかった…。
なんとか回避できそうと思い、ふうー、と息を吐いて安心してお弁当を食べようとした。
その時「あ!」と呟いて、ニヤニヤしだす先輩を不思議に思いながら見ていると。
「春香ちゃん、間接キス気にしてるでしょ」
「なっ…!」
「当たり?」と言ってからかってくる先輩に「違います」と否定をするも、顔が赤くてバレバレだろうと焦った。