先輩、これって恋ですか?
「え? いや、それは……」
先輩が勝手に教えただけだし、勝手にわたしの名前知っただけで…
「春香ちゃんは俺と友達になるのが嫌?」
「い、嫌っていうか……」
「じゃあいいじゃん」
「そ そんな簡単な話では、ないです…」
そもそも友達の作り方なんて、わたし知らないもん……。
「なぁ、春香ちゃん」
俯いていた顔を少しだけ上げると、いつのまにか距離が縮まっていて驚いて「え!?」と声を上げる。
「もしかして友達の作り方知らない?」
「えっ……」
「あーやっぱそっか。そうかなぁとは思ったんだけど、どこまで踏み込んでいいか分かんなくってさ」
「……笑いますか…?」
この歳になって、友達の作り方が分からないなんて言ったらきっと笑われちゃうに決まってる。
それなのに、先輩は────
「笑うわけないじゃん。」
そう言って、わたしの頭にポンっと手を乗せた。