先輩、これって恋ですか?
その時、初めて感じた温もり。
わたしを否定せず、そのまんまを受け止めてくれた気がして嬉しくてギューッと胸が苦しくなった。
「俺は多少強引なとこあって相手を困らせちゃう時もあんだけど、べつに春香ちゃんを困らせたいわけじゃないんだ。……だから少しずつでいい。春香ちゃんのペースでいいから、友達になろうよ」
そんなことを言ってくれた人は初めてだった。
今までは俯いてばかりのわたしに誰も近寄ろうとしなかったし、こんなことを言ってくれる人もいなかった。
先輩は、他の人とは違うのかな……
まだ会ったばかりだから分からないや。
「せめて今日は名前だけでも覚えておいて」
「え、と……」
「もう忘れたー?」
「ち、違…っ」
慌てて否定すると、「そんな焦ると返って怪しい」そう言って笑われた。
「ち、ちゃんと…覚えて、ます。」