先輩、これって恋ですか?
「サボりみたいなことしていいんですか」
「あ、俺の心配してくれてる?」
「いや、べつに…。」
わたしの頭を撫でて、「大丈夫だよー」とへらっと笑った。
「俺こう見えて頭はいいからたまにサボるくらいなんてことないよ」
「そー、なんですね」
先輩が頭いいようには見えないけど…。
だっていつもへらへらしてるばかりだし。
「…って、あれ。」
ここのちょうど真下って……
「あ、春香ちゃんやっと気づいた?」と言って、空き教室の窓を開けると、ふわりと暖かい風が入り込む。
「さっきいた中庭の真上にこの場所ってあるんだよねぇ。だからさ、春香ちゃんが学生証探しに来たのもここから見えてたんだぁ」
「あ、…。」
「それでさ、春香ちゃんがどんな子なのか気になって…そしたらいつのまにか話しかけちゃってた、みたいな」