扉の向こうにいる彼
「先生。」呟いたせなは弱々しくてつらそうに咳を何度もしていた。



「こんな、寒いとこで薄着でお前はなにやってんだ。」

自分のカーディガンをかけた。寒かったのか震えているせな。


泣きだしたせなに

「なんで泣く?」と聞いた。

「わ、わかんない。」とごまかすせな
可愛いすぎる。

自分のカーディガンの前をひっぱり抱き締めるようにしている。


ソファーに座るせなの隣に座りそっと手首を掴む。

脈拍を見る。
「無理するから不整だよ。体も熱いし熱あるんじゃない?」


ここまで来ても強がるせなに少し怒りそうになる。

「無理してない。無理なんかしてないもん。」

泣きながら伝えてくる。
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