Seven...KOKI
「…分かる…けど」
「雪はどんだけ食っても太らない体質で
食事制限はしてないけど、
モデルになる前よりもスキンケアとかには
気を使うようになっただろ?
雪だって努力してる」
「そう…かもしれない…けど」
「けど?」
「でも…やっぱり支えてくれてる
人達の方がすごいよ…。
モデルはちやほやされていい気持ち
だけど、スタッフさんたちは
そんなことないでしょ?」
「…別にいいんじゃねぇの?」
俺は雪から離れた。
「世の中にはカメラにうつって輝ける人。
それを支える人がいるだろ?」
「うん」
「そりゃあみんな輝く方にいきたいに
決まってる。
でも、容姿とかスタイルとかで
あきらめなきゃいけない人だっている。
でも、あきらめきれないから…
その世界に近いスタッフとか目指す人も
少なくはないだろ」
「…うん」
「けど、思い出してみ?うちの滝さん」
「滝さん?って…スタイリストの?」
「そう。滝さんさぁ…あれでも
メイク落として髪型も変えれば
超イケメンなんだぞ?」
「イケメン?…あ、そっか。
滝さん、ニューハーフだもんね…」