Seven...KOKI
「滝さん整形してないからメイクとか
髪型変えれば普通に男なんだ。
1年前に急に変わったんだけどな」
「え!?そうなの?
…なんか、よくテレビでやってる
子供のころからスカートはいてるような
人かと思ってた」
「俺もあんま理由は知らないんだけど。
女装しだすまではよくいろんな事務所に
スカウトされてたんだぞ?」
「まぁ…整形してなくてあんなに
きれいなんだから男でも
かっこいいんだろうね?」
「正直めちゃくちゃ!かっこいい。
でも滝さんそのスカウトいつも即答で
断ってた」
「なんで?」
話にくいついてきた雪に
俺はちょっと笑いながら言った。
「自分はモデルを輝かせることに
一番幸せを感じてるから」
「何それ?」
「いつもこう言って断ってたんだ。
どんなにいい条件でも、
どんなにギャラつまれても」
「え?」
「雪は輝く立場の人間だから
理解できないと思うけど…
俺らみたいに支える立場の人間は
自分達が支えたり、
メイクをして変身させたりした
モデルとかが雑誌に載る。
そして人気が出たり、ファンが増えると
めちゃくちゃ嬉しいものなんだよ」
「…そう…なの?」
「そう。さらに、綺麗に変身したり
綺麗に撮ったモデルが幸せそうにしてたら
もう最高だね。これまで頑張ってきて
よかった~って思えるんだよ」