Seven...KOKI
笑ってない。
微妙な動きしかしない。
顔の角度を微妙に変えるだけ。
棒立ちで…それこそ魂が抜けたよう。
でも…。
…この雪の瞳。
見つめてるとすいこまれそうな…。
体が動かなくなる。
それに気づいたのは俺だけじゃない。
さっきまでざわざわしてたスタジオが
一気に静まり返った。
スタジオが…雪に注目してる。
雪はそれに気づきもせずカメラ…
俺だけを見てる。
俺は正気に戻ってまた何枚か撮り始めた。
でも、雪はいっこうに動こうとしない。
パンパンパン
「はいっ!終わり!雪ちゃんおつかれ!」
渡部さんがそう言いながら手を叩く。
「あっ…ありがとうございました」
スタジオもはっとしたようにいつもの
空気に戻った。