Seven...KOKI

ラブストーリーなんだから
当然キスシーンもあるだろう。



きっと…雪はそれが嫌なんだ。



前のドラマはラブストーリーとは
かけ離れてたからできただけで…
もともとそういうところは女優向きじゃ
ないんだ…雪の性格は。



「でも雪ちゃん…プロは仕事を選んじゃ
だめなのよ？」



「そんなこと分かってますおばさん。
でも…出来ません。
それに怒ってるのはそれだけじゃ
無いですから！！」



「どういうこと？」



「…たまたま出た案ならいいんです。
事務所同士でちゃんと話し合いをして
出た結果ならあたしは納得します。
でもこんなの…あっちの我が儘
じゃないですか…それに…」



クッションを握りうつむく雪。



「それに…高嶋は新人なんですよ？
なのにあたしの相手なんて…
偶然なわけないじゃないですか！
絶対裏で仕組んだんですよ」



「確かに…新人なのにたまたま
雪ちゃんと共演なんて出来すぎよね…。
知り合いってことで宣伝効果を
高めようとしてるのかもしれないけど…
それにしては偶然すぎるんじゃない？」



ヨネさんがついだ紅茶を口にしながら
つぶやく香奈さん。



「高嶋が宮聡にお願いして無理やり
キャスティングしたのかもな」



香奈さんにあいづちをうつアニキ。



「…そうだとしても、放送まで
あと３週間しか無いのよ。
明日から撮影しないと間に合わないわ。
今からヒロインを変えるなんて
大変なことだし…雪ちゃん、
申し訳ないけど頑張ってもらえない？」