Seven...KOKI


「あ…うん、ちょっとね」



静かにそう言った雪は俺の前を通って
冷蔵庫から材料を出した。



「…キス」



「え?」



冷蔵庫のドアを閉めながら
材料を手に俺を見る雪。



「…やっぱ…するのかな…キスとか…」



「光輝?」



「……俺やだよそんなの……」



うつむいたまま壁をつたい
しゃがみこんだ。



雪をこの世界にいれた時から
覚悟してなくちゃいけないことだった。



いずれこうなることは予想できたはずだ。



けど…いざその瞬間になると…
我慢なんて出来ない。



「やだよ…俺…」



本当に情けない…雪の目の前で…。



俺たちみたいな人たくさんいるだろ?



彼氏・彼女が役者とか…いっぱい
いるはずだよ。



その人達は我慢してるんだろ?



なんで俺はそれができねぇんだよ…。

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