Seven...KOKI
…行くな。
…なんて言えない。
見送ることしか…出来ない。
「39度…風邪ですね」
体温計を見つめてつぶやくヨネさん。
「いつから調子悪かったのよ」
…いつから?
「今日の朝…起きた時には頭が
くらくらしてて…」
「たまたま家に用事があったから
良かったものの…
あのまま仕事なんて行ってたら
ぶっ倒れてたわよ?」
「…すんません香奈さん。
ヨネさんにまで…お世話になっちゃって」
「いいんですよ。
部屋ならいくらでもありますし、
なんならずっとここに住んで
もらった方が私も安心です」
「そうね?雪ちゃんがいた時だって
ここに住めば良かったのに」
「そんな迷惑…かけれません…」
「あんたには昔から迷惑かけられっぱなし
なんだから今さら気にしないわよ」
…それもそっか。
俺は小さく笑った。