Seven...KOKI


「で、でも…」



躊躇する雪をよそに
俺はTシャツを脱いだ。



「光輝!?」



いきなりのことにあわてる雪。



「今日は何の日?」



「え…えっと…イブ…」



「俺達が出会った記念日」



雪の頬に触れつぶやく。



「あれから3年。
今日したら超ロマンチックじゃね?」



「はっ…ロマンチックって」



「それに今日が最後かもしれないだろ」



俺のその言葉で笑ってた雪の顔は
こわばった。



「もし俺が説得できなくて、
認めてもらえなかったとする」



雪のおでこに自分のおでこをくっつける。



「雪は高嶋のものになる。
そうなることだってありえるだろ?
でも俺は嫌だ。
けど…そうなってしまったら
俺にはどうすることも出来ない」



俺には雪を奪い返す権力も、財力も、
…何も持っていない。



宮聡の娘・宮愛莉である雪と俺は
つり合っていないから。

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