Seven...KOKI
病室に入ってすぐに足を止め、
いまだにドアの前で固まってる雪の
背中をおした俺は宮さんの近くに
連れて行った。
「宮さん…」
「愛莉…来てくれたのか…」
体が動かせないのか顔だけを雪に
向けた宮さんは小さくそう言う。
「わざわざありがとな…」
「いえ…」
泣くのを我慢してるのか少し声が
震える雪を見つめていた俺は、
「あなたが山村光輝さんですか?」
いきなり医者にそう聞かれた。
「あ、はい」
「あなたが宮さんを助けた方ですよね?」
「そう…ですけど」
「あなたのおかげで宮さんは助かった
んですよ」
「は?」
急にそんなこと言われたもんだから
意味が分からない俺。
「話は聞きました。
もしあなたが助けようとしなければ
宮さんはトラックにひかれて即死。
けどあなたのおかげで命に別状は
ありません」
俺の…おかげ。