Seven...KOKI


「いえ…」



「1つ言っておくが…君に助けられたから
認めたわけではないよ」



俺に向けていた顔を天井に向けた宮さん。



「本当のことを言うと…
もっと前から2人のことを認めていた」



「え?」



「光輝くんが私のとこに愛莉との仲を
認めてくれと尋ねてきた日からだ。
何度突き放しても君は毎日私の元を
尋ねてきた。
汚い方法で愛莉を手に入れようとする
高嶋とは違う君。
認めたくは無かったが…愛莉の為に
そこまでする君を認めないわけには
いかなかった」



「なんで言ってくれなかったんですか…」



「言えなかったんだ…。
私は思った以上にプライドが高いらしい。
一度認めなかったのにそれを許すなんて…
どうしてもできなかった。
今思えば本当に情けない話だ…。
タイミングを逃してしまった自分を」



「タイミング…?」



「…今日がいいタイミングだったんだ。
なかなか言い出せない私に神様が
チャンスをくれたのかもしれないな」



そう言った宮さんは布団の中から
包帯が巻かれた手を出し、
その手を雪にのばした。



「…?」



その手をとりベッドの側にしゃがんだ雪。



「…悪かったな」



「え?」



「ずっと謝りたかった。
私は愛莉にひどいことをしたから…」


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