Seven...KOKI
宮さんは雪の頭を撫でた。
「父親なら娘の幸せを一番に考えなければ
いけないのに…私は愛莉を自分の都合の
いいように縛りつけていただけだった。
最低な父親だよ…」
「…宮さん」
「…単に嫉妬していただけなのかも
しれないがな」
そう言って小さく笑う。
「娘を持つ父親というのはみんな似て、
娘の彼氏に嫉妬心を抱くものだが…
どうやら私もそうらしいな。
カメラマンとモデルという関係や
7歳も年が離れていることや
2人は釣り合わないと言いながら…
結局は光輝くんがうらやましかった
だけなのかもしれない…」
「…光輝が?」
「でも…愛莉が幸せならなんでもいい。
父親としては…それだけで十分だ」
そう言って優しく笑う宮さんの手を
強く握った雪は、
「…お…とう…さん…」
しぼり出すように“お父さん”と言った。
「ありがとう…お父さん…」
それを聞いた宮さんは目を丸くすると、
少し涙目になりながらもまた優しく
笑った。
「…と、言うわけだ…高嶋」