Seven...KOKI


いきなりそう言った宮さんは、
雪に向けていた顔を窓のとこにもたれて
腕を組みうつむいていた高嶋に向けた。



「すまないが…愛莉の望まない婚約を
認めることは出来ない。
愛莉との婚約は諦めてくれ」



何も言わない高嶋。



「…君にも幸せになってほしいから
言っているんだよ」



「…俺に…幸せ?」



「私は君を引き取った。
宮家の一員になった君が幸せになることを
私は望んでいる。
愛莉のことを好きと言ってくれたのは
ありがたいし、君が望むならと婚約を
許した。
だが…自分のことを心から愛していない
愛莉と無理やり婚約をしても傷つくのは
君の方だ。
それでは幸せにはなれない」



宮さんがそう言うとうつむいていた
高嶋は顔を天井に向けた。



「別にいーよ、もう」



「…高嶋?」



「正直さ…俺も宮さんと同じだよ。
山村が宮さんのとこに通うようになって
からだんだん諦めていってた」



そう言いながら顔を俺たちに向ける。



「そして、さっき諦めがついたよ」



あまりにも淡々と話す高嶋に俺たちは
疑問の顔。



「さっき…宮さんのことで不安になってた
愛莉のこと…俺は安心させてやることが
出来なかった。
山村は簡単に出来たのに…」



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