Seven...KOKI
悲しそうに笑う高嶋。
安心させる…高嶋が雪を抱きしめていた
のはそういうことだったのか。
「それで諦めがついたんだ…
俺は愛莉の特別な存在にはなれない。
山村を超えることは絶対に出来ない」
「高嶋…」
「だからもういいんだよ…これ以上愛莉を
傷付けるのは俺だって嫌だ。
じゃあな…宮さんお大事に」
高嶋はそう言うと走って病室から
出て行った。
「高嶋!!」
雪が呼び止めても足を止めない。
「…2人ももう行きなさい。
仕事に戻らないといけないだろ?」
高嶋が出ていった病室の出入り口を
見つめていた俺たちに宮さんはつぶやく。
そう言われた俺たちは顔を見合わせて、
宮さんの側に近寄った。
「お父さん…本当にありがとね」
「あらためてまたうかがいます。
体に気をつけてください」
それぞれあいさつをした俺たちは
宮さんにお辞儀をして高嶋を追いかける
ために病室を飛び出した。
高嶋に追いついたのは駐車場。
「高嶋っ」