Seven...KOKI
スタジオに響くほど大きい声で
叫んだ香奈さん。
「わっ!!ちょっ、香奈さん…」
俺は思わず立ち上がった香奈さんの
口をあわててふさいだ。
「あ、ごめん…で?プロポーズ?」
すっごい満面の笑みを浮かべる香奈さんは
さっきより俺に近づいてきた。
「いつ?」
「いやっ、まだ決めて無いんっすけど…」
「ふぅ~ん…それで何で仕事が関係
あるの?」
「やっぱり…結婚ってなったら
好きだけじゃダメじゃないですか。
生活だってあるし…」
「まぁ、それはそうだけど…
あんたちゃんと稼いでるじゃない。
一人前とはいかなくても渡部さんに
認めてもらえてるんだから仕事に
成功してるって言えるんじゃないの?」
「そうなんですけど…
結婚するならちゃんと貯金とかも
しておきたいんですよね」
金に困ってる訳じゃないけど
そんなにたくさん持ってるわけでもない。
「結婚したら子供もできるだろうし…
いろいろとお金がかかると思うんですよ。
金銭面で雪に苦労かけたく無いし、
子供にだって不自由させたく無いんで」
「すっごいリアルだね…
ってか、そんな先のことまで…」
「当たり前じゃないですか。
…雪を守らないといけないんで」