Seven...KOKI
そう言って荷物を持った。
「じゃあまた後でな」
雪に笑顔を向けて楽屋を出た。
雪の誘いを断るのはもったいないけど、
今日は久しぶりにちゃんと昼休みが
とれた日。
だから指輪を見に行きたかったんだ。
スタジオから出た俺はバイクを走らせて
香奈さんに教えてもらった店に向かう。
店を教えてもらった時、一緒に行こうか?
って香奈さんに言われたけど、
横でぐちぐち言われると思い断った俺。
でもやっぱり、一緒に来てもらえば
良かったかも…。
店に入ってすぐにそう思った。
こういうとこ来たの初めてでなんか変に
緊張する。
少し挙動不審になりながらも指輪の
コーナーに足を運んだ。
雪に似合いそうな指輪…
どんなのがいいんだろう。
「何かお探しでしょうか?」
綺麗に並べられた指輪を見ていた俺に
声をかけてきた店員さん。
「えっと…指輪を」
「指輪ですね。
こちらいかがでしょうか?」