Seven...KOKI
ドアの閉まる音だけが響いた病室。
俺の手に触れた雪。
微かに感じる雪の体温。
体から離れていても感じる。
雪は俺の手に触れたまま、崩れるように
床に座り込んだ。
「雪ちゃんっ」
そんな雪の側に香奈さんがしゃがみこむ。
雪っ。
俺も香奈さんと同じように雪に近づいた。
でも…雪の体をすり抜ける俺の手。
俺は自分の手を見つめた。
俺の手を通して見える雪。
「大丈夫?…立って…」
必死に立ち上がらせようとする
香奈さんの力に抵抗する雪の体。
「…雪ちゃん?」
ごめん…雪。
「ほら…立ってっ…」
「立てない…」
ごめんな…。