Seven...KOKI


触れたい…抱きしめたい。



俺のせいでそんな顔させたくない。



でも…雪の体をすり抜ける。



こんなに側にいるのに…。



ガラッ



「…ここにいた」



急に開いたドアを見ると少し目が赤い
アニキ。



「雪ちゃん、大丈夫?」



アニキの言葉にゆっくりうなずいた雪。



「さっきは…ごめんね。
香奈が変なこと言っちゃって…」



さっき?…何かあったのか?



幽体離脱…してるとは言え、
この病室から俺は出れないらしい。



だから、病室外のことは分からない。



外で何があった?



「…香奈さんは?」



「ちょっと取り乱してるから、
車呼んで帰らせた」



そう言いながら雪の横にイスを
置いて座る。



「…光輝が倒れた時、
側にいたの香奈なんだ」

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