Seven...KOKI
「え?」
「なりたいって言うのも変だけど…
香奈があんな風になったせいで雪ちゃん、
泣きたいのに我慢してるんじゃない?」
不安そうにそう言うアニキに
小さく笑った雪。
「大丈夫ですよ、我慢はしてませんから」
「…本当に?」
「正直言うと…
香奈さんみたいになれないんです」
「なれない…?」
なれないって…どういうことだ…?
「香奈さん言ってました…
『早く光輝の心臓が止まってほしい』
…って」
…え?
「香奈がそんなこと…?」
顔を曇らせるアニキ。
俺も分からない。
「でもあたし…香奈さんがそんなことを
言ったのは、光輝の脳死を
受け入れてるからだと思うんです」
「香奈が?」
「脳死判定を受けた光輝はもう
助からない。
このままこの状態が永遠に続く。
それをちゃんと受け入れてるんです…
香奈さん」
受け入れてる…。