Seven...KOKI
「あ…香奈さん…」
「ごめん、寝てた?」
「いや…ちょっとうとうとしてて…」
「この部屋日当たり良くてぽかぽか
してるからかな?
それとも、この機械の音?
不謹慎だけど、静かな病室でこの音
聞いてたらちょっと眠くなるのよね」
棚の上にある花瓶に花を飾りながら
香奈さんは笑った。
「雪ちゃん、この前はごめんね?」
「え?」
「取り乱しちゃって、
みっともないとこ見られちゃったね」
「いえ…あの、大丈夫なんですか?
光輝に会いに来て」
「もう落ち着いたから大丈夫。
気持ちは変わってないけど…
いつまでもうじうじしてたら
光輝に申し訳ないしね」
「そうですか」
「それより…あたしは雪ちゃんが心配」
花をいじる香奈さんは雪を見た。
「仕事に身が入ってないし、顔色悪いし。
食事もちゃんととってないんでしょ?
宮さんが心配してた」
うつむく雪。
「光太に聞いた…
脳死を受け入れられないって。
でもね?雪ちゃん。
もう仕方ないことだし、
どうにもならないのよ?」