Seven...KOKI


雪の側にしゃがみこみ、
うつむく雪の顔を覗き込んで
優しくそう言う。



「悲しいのは分かる。
でも、光輝が見たらきっと悲しむ…
光輝は雪ちゃんに笑ってほしいはずよ?」



そうだよ…雪。



「でも…」



Plululu~♪



急に病室に鳴り響いた携帯の着信。



「「え…」」



同時に顔を上げた雪と香奈さん。



俺も一緒に鳴り響く携帯を見る。



鳴っているのは…俺の携帯。



香奈さんが花を飾った花瓶の横にある
俺の携帯が光る。



Plululu~♪



鳴り止まない携帯に香奈さんが近づき、
手にとり開いた。



「はい…もしもし……え?」



香奈さんは驚いた顔で雪を見ると、



「あ、今すぐ取りに行きます。じゃあ」



そう言ってあわてて携帯を切り、
棚の中を探り出した。



「香奈さん?」

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