Seven...KOKI
「ごめん雪ちゃん。
ちょっと用事出来たから出かけてくる。
ここで待っててねっ」
棚の中から俺の財布を取り出し、
香奈さんは病室から出て行った。
誰だったんだ?今の電話。
雪も気になったのか俺の携帯を手に取り
開いて見るが分からなかったみたいだ。
そして、数十分後。
少し息を切らせて帰ってきた香奈さん。
「雪ちゃんっ…これ…」
そう言って雪に手渡す紙袋。
「何ですか?」
「…開けてみて?」
小さな紙袋を開けると中から出てきた
手のひらサイズの箱。
その箱を開けると見覚えのある藍色の箱。
あ…あれって。
藍色の箱を雪が開くと、
中から出てきたのは指輪。
俺が雪に贈るはずだった指輪。
今日だったんだ…入荷したの。
香奈さんは代わりに俺の気持ちを
雪に話してくれた。
俺が仕事を頑張ってたこと、
プロポーズのこと。