気まぐれな彼女
昼休み弁当を食べていた僕は、クラスメートの佐藤におかずのウインナーを奪われないようにように目を光らせていなければならなかった。
「あれ、山田じゃないのか、隣のクラスの」と言う佐藤の言葉に振り返ろうとする僕は、ウインナーを取ろうとする佐藤の手を弁当箱の蓋でブロックし、やっぱりこいつは僕を油断させてウインナーを取るつもりだったんだなと、だから山田さんがいると嘘をついたんだなと思った。
でも念の為、一応、僕が振り返ってクラスの入り口を見ると、そこには山田? のような貞子のような長い髪を前に垂らした女子が下を見ながら身動きもせずに立っているのを見てビックリした僕は「えっ」と驚きの声を上げる。
僕が後ろを振り返ると「やべっ」と言う言葉とともに佐藤が走ってクラスの外に逃げ出していくのを見て、何でと一瞬呆気に取られるがすぐに弁当箱からウインナーがなくなっていることに気が付き、やられた!! やっぱりあいつウインナーを狙っていたんだなとショックを受けた僕は頭を抱えた。
しばらくしてから、そうだ、そういえば山田さんがクラスの入り口にいたんだということを今更のように思い出し、クラスのドアの方をみるとやっぱりそこには山田? のような貞子のような長い髪を前に垂らした女子が立っていた。
えっ! まだ、立っていたの? さっきからかなり時間が経ったんじゃないの? いやそうでもないのか? と訳がわからなくなり時間間隔を失い頭が多少クラクラしてきた僕を、山田? のような貞子のような生き物が手招きをして「こっちおいで」とは言っていないが、僕の心の中にだけ聞こえるそんなメッセージに引き寄せられ、彼女の所まで僕は行った。
僕が彼女の所に行っても手招きする手をそのままにしてピクリともしない山田? 貞子のような生き物は微動だにしない。死んでしまったのかと僕が思い始めた時に腕がピクピク震えているのを見て、ほらやっぱり腕を上げっぱなしにするからあれでは明日彼女の腕は筋肉痛だなと心配しはじめた僕に対して彼女は「呼ばれたら早く来んかい、ボケ」と大声を出す。
そんな大声を出したらクラスの他の皆に変な目で見られるぞと心配し辺りを見回すが、なぜか皆は何事も無かったかのようにおしゃべりや弁当を食べたりし続けている。なんで? なんで僕だけ!? もしかしたら僕にしか彼女は見えていないのかと思い彼女のほっぺたをつねってみた僕に「なにするんじゃい!!」とまた大声を彼女が上げる。
「ごめん、ごめん。生きているかどうか確認してみただけなんだ」という僕に対して「なら、責任とってよね」と言って顔を赤らめる彼女はやっぱり僕にとっては意味不明な生き物であった。
そんな彼女と僕をクラスの皆がヒソヒソと「なに、あれ」「戸田の彼女?」噂し始めるのを、さっきは山田のことを無視していたのに何で? と不思議に思い山田さんを見ると、また前髪を垂らして山田? のような貞子のような生き物に逆戻りをし、それに合わせてクラスの皆の話し声も途絶える。
何なんだ? 山田さんとクラスの皆はグルなのか? ということは僕はクラスの皆から仲間はずれにされているのか? どうしてクラスの皆は僕ではなくて隣のクラスの山田さんとグルになっているのか、悪の組織の陰謀か? などと僕の頭の中を憶測が走馬灯のように流れ始めた時に山田さんが僕の肩をチョンチョンと軽くつつく。
「約束したからね」と言って山田さんが走り去る。「えっ、何を!?」とわけも分からんず呆然とする僕を置いて、ものすごいスピードで山田さんが隣のクラスを飛び越えて走っていったかと思うとUターンをして僕の方に向かって走ってくる山田さんは汗をかき、途中で力尽き、そしてパタリと倒れた。
「大丈夫かい?」と近寄る僕に、突然起き上がり「忘れ物だ」と言って飛び蹴りをしようとする彼女を華麗にかわす僕を口惜しそうに見つめながら、「それ、ちゃんと届けたからね」と彼女が指差す方向には手紙が落ちていたので、僕がそれを拾おうとする所を彼女が獲物を狙う鷹のような目でうかがっており、明らかに僕の隙きをついて襲おうとしているのが僕にバレたので「チェッ」と言いながら山田さんはクラスの中に入っていった。
「あれ、山田じゃないのか、隣のクラスの」と言う佐藤の言葉に振り返ろうとする僕は、ウインナーを取ろうとする佐藤の手を弁当箱の蓋でブロックし、やっぱりこいつは僕を油断させてウインナーを取るつもりだったんだなと、だから山田さんがいると嘘をついたんだなと思った。
でも念の為、一応、僕が振り返ってクラスの入り口を見ると、そこには山田? のような貞子のような長い髪を前に垂らした女子が下を見ながら身動きもせずに立っているのを見てビックリした僕は「えっ」と驚きの声を上げる。
僕が後ろを振り返ると「やべっ」と言う言葉とともに佐藤が走ってクラスの外に逃げ出していくのを見て、何でと一瞬呆気に取られるがすぐに弁当箱からウインナーがなくなっていることに気が付き、やられた!! やっぱりあいつウインナーを狙っていたんだなとショックを受けた僕は頭を抱えた。
しばらくしてから、そうだ、そういえば山田さんがクラスの入り口にいたんだということを今更のように思い出し、クラスのドアの方をみるとやっぱりそこには山田? のような貞子のような長い髪を前に垂らした女子が立っていた。
えっ! まだ、立っていたの? さっきからかなり時間が経ったんじゃないの? いやそうでもないのか? と訳がわからなくなり時間間隔を失い頭が多少クラクラしてきた僕を、山田? のような貞子のような生き物が手招きをして「こっちおいで」とは言っていないが、僕の心の中にだけ聞こえるそんなメッセージに引き寄せられ、彼女の所まで僕は行った。
僕が彼女の所に行っても手招きする手をそのままにしてピクリともしない山田? 貞子のような生き物は微動だにしない。死んでしまったのかと僕が思い始めた時に腕がピクピク震えているのを見て、ほらやっぱり腕を上げっぱなしにするからあれでは明日彼女の腕は筋肉痛だなと心配しはじめた僕に対して彼女は「呼ばれたら早く来んかい、ボケ」と大声を出す。
そんな大声を出したらクラスの他の皆に変な目で見られるぞと心配し辺りを見回すが、なぜか皆は何事も無かったかのようにおしゃべりや弁当を食べたりし続けている。なんで? なんで僕だけ!? もしかしたら僕にしか彼女は見えていないのかと思い彼女のほっぺたをつねってみた僕に「なにするんじゃい!!」とまた大声を彼女が上げる。
「ごめん、ごめん。生きているかどうか確認してみただけなんだ」という僕に対して「なら、責任とってよね」と言って顔を赤らめる彼女はやっぱり僕にとっては意味不明な生き物であった。
そんな彼女と僕をクラスの皆がヒソヒソと「なに、あれ」「戸田の彼女?」噂し始めるのを、さっきは山田のことを無視していたのに何で? と不思議に思い山田さんを見ると、また前髪を垂らして山田? のような貞子のような生き物に逆戻りをし、それに合わせてクラスの皆の話し声も途絶える。
何なんだ? 山田さんとクラスの皆はグルなのか? ということは僕はクラスの皆から仲間はずれにされているのか? どうしてクラスの皆は僕ではなくて隣のクラスの山田さんとグルになっているのか、悪の組織の陰謀か? などと僕の頭の中を憶測が走馬灯のように流れ始めた時に山田さんが僕の肩をチョンチョンと軽くつつく。
「約束したからね」と言って山田さんが走り去る。「えっ、何を!?」とわけも分からんず呆然とする僕を置いて、ものすごいスピードで山田さんが隣のクラスを飛び越えて走っていったかと思うとUターンをして僕の方に向かって走ってくる山田さんは汗をかき、途中で力尽き、そしてパタリと倒れた。
「大丈夫かい?」と近寄る僕に、突然起き上がり「忘れ物だ」と言って飛び蹴りをしようとする彼女を華麗にかわす僕を口惜しそうに見つめながら、「それ、ちゃんと届けたからね」と彼女が指差す方向には手紙が落ちていたので、僕がそれを拾おうとする所を彼女が獲物を狙う鷹のような目でうかがっており、明らかに僕の隙きをついて襲おうとしているのが僕にバレたので「チェッ」と言いながら山田さんはクラスの中に入っていった。