君の子守唄
「お前…………子供が好きか?」

やっぱり隠し子か??

俺が疑いの目を向けると

「アホ!
何べんも言わすな。
………………お袋が………里親に登録したんだ。」

「里親??」

聞きなれないフレーズに聞き返すと。

「あぁ。
親が面倒を見れない子供や虐待やネグレクトにあった
子供を、親に代わって育てるあれだ。」

どうやら、俺が1ヶ月いた施設のようなところで育った子供たちを

家庭の中で育てるという取り組みの里親らしい。

「俺は、犬や猫の飼い主を探す方だと思った。」

俺の認識の違いに、一瞬驚いた顔をしたが。

「まぁ、普通はそう思うよな。」と納得して。

「それでこの3ヶ月、我が家にチビがいるんだが………。
一昨日、お袋が階段から落ちて入院しちまったんだ。
まだ3歳の女の子で
幼稚園は来年からだから…………困ってるんだ。
悠人に相談して満3歳からの入園を頼んだんだけど………
定員いっぱいらしくて、今年は無理みたいなんだ。
お袋の入院と店と仕事で…………
チビを面倒見ることが難しくて…………。
児童相談所に言えば、施設で見てくれるらしいんだけど……
せっかく慣れた家を離れて、転々とさせるのも可哀想で。
彰人なら、融通がきくかと思ったんだ。
会社の仕事も、走り回る俺と違って
パソコンが主な仕事だし……………。
お願いします、彰人様。
いたいけな少女を助けると思って……………。
数ヵ月協力して下さい。」
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