君の子守唄
俺に異議などなかったが………

洋介の必死さが面白く、つい最後まで聞いていた。

「あぁ、良いよ。」

俺のアッサリした返事に、目を白黒させている。

まぁ、あえて子供に関わることはしてきてないからな。

元々、嫌いではない。

むしろ好きな方だと思う。

特に訳ありの子は気になり

テレビでもついつい見入ってしまうのだ。

たまに涙が出そうになって

咲にバレないように、コッソリ拭いている。

「ホントに大丈夫か??
犬の子じゃないんだぞ。」

自分で頼んでおきながら、横柄な態度に腹が立つものの

それだけ大切にしているのだろう。

「オムツは?」

「もう取れてる。
自分で『トイレ』も言えるから大丈夫だ。
おやつは…………」

やたら詳しく説明する洋介を笑って

「必要な物は持たせてくれ。
説明は、今全部聞いても覚えれないから
メモして入れておいてくれたら良い。
明日の朝、8時に迎えに行く。」

会社に出勤前に迎えに行くと伝えると

「チャイルドシートを装着しないといけないから
7時45分までに来てくれ。」と…………。

マジかぁ。

スポーツタイプの車に…………チャイルドシート。

まぁ、少しの間…………仕方ないかぁ。
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