世界で一番美しいプレゼント
放課後、今日はみんなそれぞれ予定があるので風香は何も考えずにこころの家に行けた。

早くみんなに会いたいと、足は自然と早くなる。軽い足取りで風香はドアを開けた。

「こんにちは!」

「こんにちは!」

友子と大がすぐに笑顔で返事をしてくれる。風香はすぐに荷物をロッカーにしまい、近くでゲームをしている広志に声をかけた。

「広志くん、昨日とっても楽しかったね!」

広志は顔を上げ、「まあな」と微笑む。そしてまたゲームの世界へ戻ってしまった。風香は理子たちを探す。しかし、その姿はない。

「あれ?理子ちゃんたちは?」

「知らねえよ。そのうち来んじゃねえの?」

広志にそう言われ、風香は理子たちを待つことにした。こんなこと初めてだ。

趣味である小説執筆を始め、短編を完成させる。長編を書き始めたのだが、五時半を過ぎても理子たちが来ないことに風香はこんな日もあるんだと驚いた。理子たちはいつもこころの家に少しでも顔を出すと友子から聞いたことがあるからだ。
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