世界で一番美しいプレゼント
友達にみんなが言ってくれたことは嬉しい。しかし、友達から言われたことは辛い。風香は泣きながらこころの家の近くにある建物の屋上へと向かう。
屋上まで行くと、風香はフラフラと柵に向かって歩き出す。もうこんな複雑な感情を抱えるくらいならば死んだ方がいい、そう風香は思っていた。
「風香ちゃん!!」
走ってきた理子が風香の腕を掴む。
「離して!もう……もう……無理!無理だよ!友達にあんなこと言われて、居場所なんてなくて……。もう死ぬしかない」
そう言った風香の頰に、バチンと痛みが走る。理子が風香の頰を打ったのだ。理子の目には涙が溜まり、体を震わせて理子は怒っていた。
「そんなこと、軽々しく言わないで!!」
理子は固まる風香の肩を強く掴み、泣きながら言う。
「私は、風香ちゃんに生きてほしい!風香ちゃんともっといろんなところに遊びに行って、いろんな思い出を作りたい!風香ちゃんは一人なんかじゃないんだよ!居場所はきちんとあるよ!こころの家にあるよ!私や心音ちゃんたちが、風香ちゃんの味方で友達だよ!!」