世界で一番美しいプレゼント

「風香ちゃんが辛い思いをしてるって相談されて、少しでも力になれたらって思ったのよ」

友子がそう言い、ピンクのガーベラの花束を風香に渡す。

「可愛い……」

「ガーベラの花言葉は感謝。風香ちゃん、この世に産まれてくれてありがとう」

友子の言葉に、みんなの優しい眼差しに、贈られたプレゼントに、風香はまた涙を流す。

なぜ泣いているのか、風香にはわからなかった。嬉しいはずなのに、幸せなはずなのに、涙はあふれて止まらない。

「主役が泣いてどうするの！」

苦笑する理子に、風香は「ごめ……涙……と、止まんない……！」と涙を拭う。

みんなの眼差しを見て、風香は自分がなぜ泣いているのか少しずつわかっていく。

涙が嬉しくて止まらないのは、風香が理子たちのことを心からの友達だと思っているからだと……。