ある人魚の真珠。
冬山と東方王国。
山を吹雪が覆っていた。

と山のその斜面に寄せ合うようにして衛士たちが住む住居がある。

ユエはその衛士であり、母であった。
幼い娘のルー。

ルーとユエは暖炉の前で身を寄せ合う。

寒さと人恋しさ。
家族というのはそういうものであった。

と城塞の楼鐘が点々と打ち鳴らされる。

非常召集だ。
とユエは思う。

「ごめんなさい。ルー。
母さんは仕事に行かなくちゃ」とユエ。
娘は悲しそうな表情。

「必ず帰ってくる」そう約束する。

戸を開ける。高山の冬の寒さが締め付け骨が軋むようだった。
ユエは他の衛士と落ち合い城塞に向かう。
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