ある人魚の真珠。
「人魚を助ける」とユエ。

斥候隊は角笛を吹き鳴らして弓矢を放つ。

「海から来たもの」が倒れる。
茶色い半魚人だ。

と人魚がユエのもとに駆け寄る。

「大丈夫か?」
「お願いです。
私の大切な宝石を取り戻して下さい!」

そこで人魚は意識を失った。

ユエや斥候隊は弓矢を放つ。
だが、包囲される。

とそのとき。

「殿下だ!」

数十名の黒馬に載った衛士が応援に駆けつけた。

形勢逆転だ。

斥候隊と討伐隊が合流したのである。

しばらくして「海から来たもの」は退いた。

「アルミ殿下。
この人魚は?」とユエ。

「我々が探していたものだ」とアルミ殿下。

「宝石と言っていましたが?」
「それも言付け済みだよ。
ユエくん?」

「何でしょう。殿下」
「人魚の世話を君に頼めるかな?」

「私は衛士の女性です」
「君はいわゆる信頼出来る人物だからだよ」

いつの間にか軽口に近くなる。
アルミ殿下とは知己なのだ。

「仕方がない。分かりました」とユエ。

こうして人魚、セーヴィッシュはユエのもとでしばらく暮らすこととなった。
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