【母子恋愛】かあさんの唄
第１話
時は、５月の大型連休があけた日の朝の食卓にて…
アタシ・けいこは、ダンナ(47歳)の朝ごはんを作った後、システムキッチンの流しで食器の洗い物をしていた…
ダイニングのテーブルの上には、白いごはんと麦みそのお汁(おつい)とだし巻きたまごときんぴらごぼうとひじきとたくあんが置かれていた…
ダンナは、ごはんを食べずに、だまって愛媛新聞を読みながらフキゲンな表情をしていた…
ダンナがフキゲンな表情をするようになっていたのは、この３月に会社から下請け会社に出向を命ぜられた日からであった…
営業の仕事から外されて、お給料も半分に減っていたので、夫婦生活がマンネリしていました。
それまでは、松山市に本社がある大手農機具メーカーの営業マンで年収は600万円と安定していた…
今現在は太山寺町(たいさんじまち)にある下請け会社の工場勤務で、自宅のある北持田町と出向先の職場との距離が遠くなっていました。
そのことが原因で、ダンナはアタシに不満ばかりを言っていました。
洗い物を終えたアタシは、エプロンをほどいて、ダンナがいる居間へ行きました。
ダンナは、テーブルの上に置かれている食事を食べずに、だまって新聞を読み続けていたので、アタシはダンナにごはんを食べてよと言いました。
「あなた、まだごはんを食べていないわよ…そろそろ新聞を読むのをやめて、ごはんを食べてよ。」
アタシがこう言うたら、ダンナは、読みかけの新聞をバサッとテーブルにたたきつけていた。
そして、イスから立ち上がったあと、ソファーの上に置かれている背広のジャケットと黒の牛革の手提げかばんを持って、玄関へ向かおうとしていた。
アタシは、朝ごはんを食べずに行くダンナを止めたけど、ダンナは『急ぐのだよ!!』とアタシに怒鳴りつけたので、アタシとダンナはケンカになってしまった。
「あなた、あなた待ってよ!!」
「ウルセーな!!早く行かないと遅れてしまうのだよ!!」
「朝ごはんを食べなかったらお腹が空いてしまうでしょ!!朝ごはんを食べてから会社へ行ってよ!!」
(バターン!!)
ダンナは、アタシに背中を向けて居間から出て行った。
そして、玄関のドアを思い切り締めた後、足早に会社へ向かって行った…
毎朝、こうしたパターンが続いていたので、アタシは『どうしてダンナと結婚をしたのかな～』と思って、悲しくなっていた…
そうよね…
きっとそうよね…
アタシとダンナも…
はじめから結婚に向かないから…ううん、結婚へ向こうとしなかったことがいけなかったみたい…
アタシとダンナは、婚期を遅らせて結婚したことが原因で結婚生活がつまらないと思っていました。
そのようになってしまった原因は、アタシの気持ちのダルいことにあると思う…
周りの人たちが『じっと待っていれば、白馬の王子さまがむかえにくるから…』と言うたから、アタシはお相手に出会う時をじっと待っていた…
それなのに、アタシの身の丈に合うお相手に出会えなかった…
そんなあいまいな気持ちでダンナと結婚をしたから、アタシは想いきり後悔していた…
よく考えてみると、アタシは恋をして結婚をすると言うことには、始めから向いていなかった…
いいえ、アタシ自身の気持ちがおこちゃまだからいけないのだ…と言う方が正しいだろうか？
アタシは東京で生まれたが、生まれてから３日後に両親が都落ちをして、父方の親戚の家がある広田村(伊予郡砥部町)にやって来た…
親戚の家では、ひとつ屋根の下に10人前後が暮らしていたので、アタシの心は落ち着かなかった…
そのようになった原因は、父が知人が借り入れた500万円の借金の保証人になっていて、知人が借金を返せなくなった…
保証人である父が、家を売却したので住むところがなくなった…
だから、広田村の親戚の家に移り住んだ…
そこからアタシの人生は大きく狂ってしまいました。
おじ夫婦からのイカクを受けたり、祖父母からのバセイを受けたりなど…そうしたことが原因で、心の中にストレスが蓄積されていた…
だから、学校生活がものすごくイヤだった…
学校は休みがちの日々が続いていたから、まったく勉強ができなかった…
中学３年の進路選択の時に、高校に行くかどうするかを迷い続けていたので、公立高校の入試を受験しないまま、中学卒業をした…
アタシは、おじの知人のコネで松山の私立の女子高に入学をした…
しかし、その時にアタシはレイプの被害を受けてしまった…
アタシその時、衣山の男子校に通うカレと付き合っていた…
そのようになってしまった原因は、星ヶ岡にある男子校のヤンキーのグループともめたことであった…
アタシは、数人の男のグループから集団レイプの被害を受けて、心に深い傷を負ってしまった…
それから５ヶ月後、アタシは胎内に小さな生命を宿していた…
アタシが妊娠していたことと衣山の男子校に通うカレと付き合っていたことが、村中に広まってしまったので、アタシは村を追われてしまった…
村を追われたのと同時に、アタシは女子高を退学しました。
そしてアタシは、ひとりぼっちで男の子を出産した…
生まれたばかりの赤ちゃんに初乳(ういちち)を与えたけど、その直後に母と子が離ればなれになってしまった…
それからアタシは、松山市空港通り５丁目にあるさち(お弁当製造会社)に就職をした…
同時に、通信制の高校に転学した…
働きながら勉強をして、高校卒業の資格を取りました。
通信制の高校を卒業後、アタシはスナックやキャバや風俗店など…主に水商売を転々としながら体ひとつで働き通して来ました。
アタシが結婚をしたいと思うようになったのは37歳の時であった…
その時、アタシは結婚相手がいない状態で、どこから着手すればいいのか分からずパニックを起こしてしまいました。
公的な結婚支援機関や民間の結婚相談の店などをあたって見たけど、相手を探す段階から大きくつまずいてしまったので、早々とあきらめてしまいました。
そんなアタシにお見合いの話が入ったのは、７ヶ月前のことであった…
アタシが働いていた二番町のスナックのママが『知っている人に頼んでおくから…』と言うたので、アタシはダンナとお見合いをしました。
アタシにダンナを紹介してくださった人は、店のおなじみさんでダンナがかつて勤務していた職場の上司でありました。
お見合いは、松山三越のとなりにある全日空ホテルのエントランスのカフェでお見合いをいたしました。
この時に、ダンナが早く結婚がしたいとお見合いの席で結論を出したので、上司夫婦がオタオタオタオタとおたついていました。
ダンナの上司夫婦は、ふたりでゆっくりと話し合ってみてはどうかと提示をしたけど、ダンナが『おれはあせっているのだよ!!』とイコジになっていた…
上司夫婦は、ダンナがあせっていると言うてひどくイライラしているので、ダンナの意見を受け入れることにしました。
アタシは、交際期間０日でダンナと入籍しました。
ふたりで暮らしている北持田にある家は、もとはダンナのシングルのおばが住んでいた家でありました。
シングルのおばが重度の認知症で老健施設への入所が決まった時に、ダンナが両親に対して『結婚をしたから北持田にあるシングルのおばが暮らしていた家をよこせ!!』と凄んで行きました。
ダンナの両親は『北持田の家は近いうちに売却するから…』と主張していたので、ダンナが『売却するのであれば、知人の男を立てて裁判起こすぞ!!』と言うて両親をおどしたので、平行線をたどっていた…
その後、ダンナが無断で北持田にある家の所有名義を変更したので、騒ぎが大きくなってしまった…
同時に、アタシと結婚をしていたこともハッカクしたので、ますますややこしくなっていた…
ダンナは、両親や親族たちに『これはオレの結婚なんだ!!あんたたちは入ってくるな!!』と怒鳴った、両親や親族たちを全員追いだしてしまった…
アタシは、そこまでしてダンナと結婚をしたいなんて思っていなかった…
だから、夫婦の関係は入籍をしてから２ヶ月で冷えきっていた…
40になったばかりのアタシと50代目前のダンナとの結婚は、周囲がひどく心配しているのを無理やり押し切った形で成立をさせので、ふたりの気持ちはなあなあになっていました。
こんなことになるのだったら…
結婚なんかしない方がよかったと思うわ…
アタシ・けいこは、ダンナ(47歳)の朝ごはんを作った後、システムキッチンの流しで食器の洗い物をしていた…
ダイニングのテーブルの上には、白いごはんと麦みそのお汁(おつい)とだし巻きたまごときんぴらごぼうとひじきとたくあんが置かれていた…
ダンナは、ごはんを食べずに、だまって愛媛新聞を読みながらフキゲンな表情をしていた…
ダンナがフキゲンな表情をするようになっていたのは、この３月に会社から下請け会社に出向を命ぜられた日からであった…
営業の仕事から外されて、お給料も半分に減っていたので、夫婦生活がマンネリしていました。
それまでは、松山市に本社がある大手農機具メーカーの営業マンで年収は600万円と安定していた…
今現在は太山寺町(たいさんじまち)にある下請け会社の工場勤務で、自宅のある北持田町と出向先の職場との距離が遠くなっていました。
そのことが原因で、ダンナはアタシに不満ばかりを言っていました。
洗い物を終えたアタシは、エプロンをほどいて、ダンナがいる居間へ行きました。
ダンナは、テーブルの上に置かれている食事を食べずに、だまって新聞を読み続けていたので、アタシはダンナにごはんを食べてよと言いました。
「あなた、まだごはんを食べていないわよ…そろそろ新聞を読むのをやめて、ごはんを食べてよ。」
アタシがこう言うたら、ダンナは、読みかけの新聞をバサッとテーブルにたたきつけていた。
そして、イスから立ち上がったあと、ソファーの上に置かれている背広のジャケットと黒の牛革の手提げかばんを持って、玄関へ向かおうとしていた。
アタシは、朝ごはんを食べずに行くダンナを止めたけど、ダンナは『急ぐのだよ!!』とアタシに怒鳴りつけたので、アタシとダンナはケンカになってしまった。
「あなた、あなた待ってよ!!」
「ウルセーな!!早く行かないと遅れてしまうのだよ!!」
「朝ごはんを食べなかったらお腹が空いてしまうでしょ!!朝ごはんを食べてから会社へ行ってよ!!」
(バターン!!)
ダンナは、アタシに背中を向けて居間から出て行った。
そして、玄関のドアを思い切り締めた後、足早に会社へ向かって行った…
毎朝、こうしたパターンが続いていたので、アタシは『どうしてダンナと結婚をしたのかな～』と思って、悲しくなっていた…
そうよね…
きっとそうよね…
アタシとダンナも…
はじめから結婚に向かないから…ううん、結婚へ向こうとしなかったことがいけなかったみたい…
アタシとダンナは、婚期を遅らせて結婚したことが原因で結婚生活がつまらないと思っていました。
そのようになってしまった原因は、アタシの気持ちのダルいことにあると思う…
周りの人たちが『じっと待っていれば、白馬の王子さまがむかえにくるから…』と言うたから、アタシはお相手に出会う時をじっと待っていた…
それなのに、アタシの身の丈に合うお相手に出会えなかった…
そんなあいまいな気持ちでダンナと結婚をしたから、アタシは想いきり後悔していた…
よく考えてみると、アタシは恋をして結婚をすると言うことには、始めから向いていなかった…
いいえ、アタシ自身の気持ちがおこちゃまだからいけないのだ…と言う方が正しいだろうか？
アタシは東京で生まれたが、生まれてから３日後に両親が都落ちをして、父方の親戚の家がある広田村(伊予郡砥部町)にやって来た…
親戚の家では、ひとつ屋根の下に10人前後が暮らしていたので、アタシの心は落ち着かなかった…
そのようになった原因は、父が知人が借り入れた500万円の借金の保証人になっていて、知人が借金を返せなくなった…
保証人である父が、家を売却したので住むところがなくなった…
だから、広田村の親戚の家に移り住んだ…
そこからアタシの人生は大きく狂ってしまいました。
おじ夫婦からのイカクを受けたり、祖父母からのバセイを受けたりなど…そうしたことが原因で、心の中にストレスが蓄積されていた…
だから、学校生活がものすごくイヤだった…
学校は休みがちの日々が続いていたから、まったく勉強ができなかった…
中学３年の進路選択の時に、高校に行くかどうするかを迷い続けていたので、公立高校の入試を受験しないまま、中学卒業をした…
アタシは、おじの知人のコネで松山の私立の女子高に入学をした…
しかし、その時にアタシはレイプの被害を受けてしまった…
アタシその時、衣山の男子校に通うカレと付き合っていた…
そのようになってしまった原因は、星ヶ岡にある男子校のヤンキーのグループともめたことであった…
アタシは、数人の男のグループから集団レイプの被害を受けて、心に深い傷を負ってしまった…
それから５ヶ月後、アタシは胎内に小さな生命を宿していた…
アタシが妊娠していたことと衣山の男子校に通うカレと付き合っていたことが、村中に広まってしまったので、アタシは村を追われてしまった…
村を追われたのと同時に、アタシは女子高を退学しました。
そしてアタシは、ひとりぼっちで男の子を出産した…
生まれたばかりの赤ちゃんに初乳(ういちち)を与えたけど、その直後に母と子が離ればなれになってしまった…
それからアタシは、松山市空港通り５丁目にあるさち(お弁当製造会社)に就職をした…
同時に、通信制の高校に転学した…
働きながら勉強をして、高校卒業の資格を取りました。
通信制の高校を卒業後、アタシはスナックやキャバや風俗店など…主に水商売を転々としながら体ひとつで働き通して来ました。
アタシが結婚をしたいと思うようになったのは37歳の時であった…
その時、アタシは結婚相手がいない状態で、どこから着手すればいいのか分からずパニックを起こしてしまいました。
公的な結婚支援機関や民間の結婚相談の店などをあたって見たけど、相手を探す段階から大きくつまずいてしまったので、早々とあきらめてしまいました。
そんなアタシにお見合いの話が入ったのは、７ヶ月前のことであった…
アタシが働いていた二番町のスナックのママが『知っている人に頼んでおくから…』と言うたので、アタシはダンナとお見合いをしました。
アタシにダンナを紹介してくださった人は、店のおなじみさんでダンナがかつて勤務していた職場の上司でありました。
お見合いは、松山三越のとなりにある全日空ホテルのエントランスのカフェでお見合いをいたしました。
この時に、ダンナが早く結婚がしたいとお見合いの席で結論を出したので、上司夫婦がオタオタオタオタとおたついていました。
ダンナの上司夫婦は、ふたりでゆっくりと話し合ってみてはどうかと提示をしたけど、ダンナが『おれはあせっているのだよ!!』とイコジになっていた…
上司夫婦は、ダンナがあせっていると言うてひどくイライラしているので、ダンナの意見を受け入れることにしました。
アタシは、交際期間０日でダンナと入籍しました。
ふたりで暮らしている北持田にある家は、もとはダンナのシングルのおばが住んでいた家でありました。
シングルのおばが重度の認知症で老健施設への入所が決まった時に、ダンナが両親に対して『結婚をしたから北持田にあるシングルのおばが暮らしていた家をよこせ!!』と凄んで行きました。
ダンナの両親は『北持田の家は近いうちに売却するから…』と主張していたので、ダンナが『売却するのであれば、知人の男を立てて裁判起こすぞ!!』と言うて両親をおどしたので、平行線をたどっていた…
その後、ダンナが無断で北持田にある家の所有名義を変更したので、騒ぎが大きくなってしまった…
同時に、アタシと結婚をしていたこともハッカクしたので、ますますややこしくなっていた…
ダンナは、両親や親族たちに『これはオレの結婚なんだ!!あんたたちは入ってくるな!!』と怒鳴った、両親や親族たちを全員追いだしてしまった…
アタシは、そこまでしてダンナと結婚をしたいなんて思っていなかった…
だから、夫婦の関係は入籍をしてから２ヶ月で冷えきっていた…
40になったばかりのアタシと50代目前のダンナとの結婚は、周囲がひどく心配しているのを無理やり押し切った形で成立をさせので、ふたりの気持ちはなあなあになっていました。
こんなことになるのだったら…
結婚なんかしない方がよかったと思うわ…
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