【母子恋愛】かあさんの唄
第13話
年が明けて2月14日のことであった…
場所は、宇多津の海浜公園の恋人の聖地のモニュメントの前にて…
この日は、ゆうとの挙式披露宴の日であった…
恋人のモニュメントの前で結婚式をあげた後、全日空クレメントホテルで結婚披露宴を執り行う予定でありました。
予定通りに挙式披露宴の日を迎えることができたけれど、ほんとうのことを言えば『やっぱり、やめた方がよかったかもしれない…』と思っていたので、気持ちがイシュクしていた…
チーママさんにゆうとのお嫁さん探しを頼んでいたのに、前日になってチーママさんがコロッと忘れていたことに気がついてオタオタしていた…
チーママさんは、大急ぎでどうにかしないとと言うて、オイゴさんに『ゆうとさんのためにカノジョと別れて…』と言うて、オイゴさんを説得した…
チーママさんのオイゴさんの説得に時間を費やしていたので、挙式開始の予定時刻を40分遅らせてしまった…
ひどく生ぬるい形で挙式披露宴を挙げるので、ゆうとは『お嫁さんいらない…』と言うてものすごくつらい表情をしていた…
こんなことになるのだったら、ゆうとの結婚する時期を少しだけずらした方がいいみたい…
チーママさんにあやまっておこう…
しばらくして、チーママさんがアタシのもとにやって来ました。
チーママさんは、アタシに申し訳ない表情でこう言いました。
「けいこさん、申し訳ございません…オイゴの説得に時間がかかってしまったの…」
「チーママさん、やっぱり…挙式披露宴を延期…ううん…ゆうとの結婚の時期を…遅らせたいから、ゆうとの結婚自体を…やめさせます。」
「どうして?どうしてやめさせるのよ?」
チーママさんからの問いに対して、アタシは落ち着かない声で理由を言いました。
「ゆうとは24だけど…まだ早いので…少しだけ時期をずらしたいのです。」
「時期をずらすって…いつまでずらすのよ?」
「いつまでって…あと10年…ううん、あと15年…ずらします。」
「15年…それじゃあ、ゆうとさんは39になってしまうのよ!!」
「だって…今のゆうとのお給料じゃ…お嫁さんを十分にやしなうことができないの…かけもちのバイトをしても…食べて行くのがやっとの金額なのよ!!お嫁さんが専業主婦で通したいと言っているのに…お給料が少なかったら、結婚生活が成り立たなくなるの…それに…自分の夫が正社員じゃないと言われたら肩身のせまい思いをするのよ!!…だから…15年の間に、貯蓄を作れば…結婚できるのよ…40前で結婚した人もたくさんいるのよ!!…だからやっぱり…結婚やめさせます…」
アタシの言葉を聞いたチーママは、強烈な声をあげて怒っていた…
「あんたがそのようにしたいのであれば、好きにしなさい!!なんなのかしらあんたは一体…そういうあんたも、生ぬるい気持ちが原因で40前になってオタオタしていたのでしょ!!もうあきれたわ!!けいこさんがそのように言うのであれば、アタシはしらんけん!!結婚やめさせると言うのであれば、けいこさん自らが出ておことわりしてよね!!アタシはいっさい関知しないから!!」
チーママさんは、アタシに強烈な声で言ったあと、背中を向けて立ち去りました。
アタシは、どうすることもできずにぼう然とたたずんでいた…
そして、挙式が始まる20分前のことでありました。
アタシがおそれていた非常事態が発生してしまった…
花嫁さんが、泣きながら公園の外へ飛び出して行方不明になってしまった…
タキシード姿のゆうとが、大混乱におちいっているどさくさにまぎれて、アタシの手を取って公園の外へ飛び出して行きました。
この時、ひろみさんがその前を通りかかっていた…
ひろみさんは、アタシとゆうとが逃げて行くところを目撃してしまったので、なおもさわぎは拡大していた…
海浜公園から逃げ出したアタシとゆうとは、宇多津港の岸壁へやって来ました。
アタシはこの時、何が何だか分からなかったので、ゆうとにわけを話した…
「ゆうと…ねえ、どうしたのよ!?…ねえ、ゆうとってば…」
この時ゆうとは、アタシに『かあさんのことが好きなんだ…ぼくは…大好きなかあさんと結婚がしたいのだよ!!』とさけんでいました。
そこへ、ひろみさんがやって来ました。
「ゆうと…どうして…」
ひろみさんは、悲しみのあまり走って行ったので、ゆうとはひろみさんを追いかけて行きました。
ゆうとは、ひろみさんを追いかけてゴールドタワーの前にやって来ました。
「ひろみ!!待ってくれよ!!ひろみ!!」
「離してよ!!」
ひろみさんは、ゆうとに背中を向けて泣いていました。
「どうして、どうしてなのよ!?ねえ答えてよ!!アタシは、ゆうとのことが好きだったのよ!!だけど!!ゆうとがお見合い結婚をすると聞いて…アタシは今日、ゆうとに想いを伝えようと想ってきたのに…ゆうとは結局、おかあさんと結婚をしたかったわけなの!?もう耐えられない!!」
「ひろみ!!」
「そんなにおかあさんのことが好きならはじめからお嫁さんなんか必要なかったのよ!!もういいわよ!!ゆうととはもう別れるから!!」
ひろみさんは、なおも激しく声をあげて泣いていました。
ゆうとは、挙式披露宴を反古(ほご)にしてしまっただけではなく、ひろみさんの感情をも傷つけたので、ひどく落ち込んでいました。
その日の夕方、宇多津の海浜公園にて…
アタシは、ゆうととふたりでお話しをしていました。
「ゆうと!!どうして挙式を台なしにしてしまったのよ!?みなさまはカンカンに怒っていたわよ!!」
アタシの問いに対して、ゆうとはアタシに対する思いを伝えていた…
「かあさんが…好きだから…かあさんが大好きだから…結婚式をホゴにした…」
「ゆうと。」
ゆうとは、アタシに今の気持ちを伝えていた…
「かあさんが…かあさんのことが大好きなのだよ!!誰が何と言おうとも、ぼくはかあさんが大好きなのだよ!!かあさんが言ってたけど…かあさんはかあさん、女にはなれないって…そんなのあんまりだよ!!こんなにまで…かあさんのことを愛しているのだよ!!ぼくは…かあさんのことを…ずっと…抱きしめたいのだよ!!」
ゆうとの想いを聞いていたアタシは、かんきわまって、涙がポロポロとこぼしていた…
「ゆうと…」
うれしい…
どうしてこんなに…
涙がポロポロとこぼれているのかしら…
「かあさん。」
「ゆうと。」
「かあさん、大好きだよ…かあさんのことを抱きしめていたいよ。」
アタシは、ゆうとをふくよかな乳房(むね)に抱きしめまして、今の想いを打ち明けていた…
「ゆうと…愛してる…大好きよ…かわいい…」
それから2時間後のことであった…
アタシとゆうとは、香西北町にあるラブホに行きました。
うすぐらい灯りの部屋で、キャミソールとショートパンツ姿のアタシとたくましい体格のゆうとは、ベッドの上で抱き合っていた…
「ゆうと。」
「かあさん。」
「かあさんにキスして。」
ふたりの唇が重なった時、アタシの中で眠っていたゆうとへの想いが目ざめていた…
「ゆうと。」
「かあさん。」
「お願いゆうと…かあさんを抱いて…早く…」
「かあさん…かあさん好きだよ!!一緒に結婚しよう。」
「かあさんも、ゆうとのこと好きよ…抱いて…」
「かあさん。」
「ゆうと…ゆうと…」
アタシは、120分の間終始受け身になって、ゆうとに抱かれていた…
そして…
「かあさん!!」
「ゆうと!!」
「かあさん!!」
「ゆうと…かあさん…もうどうなってもいい…早く奪って…奪ってぇ…」
そして、最高潮にのぼりつめたその時…
アタシとゆうとはジゴクへ引きずられたあと、抜け出すことができなくなった…
アタシを愛してくれたカレは…
アタシが16の産んだ実のむすこでした。
アタシはこれから…
わが子と一緒にジゴクへ堕ちて行きます…
こんな形で終わることしかできない母子を…
どうか…許してください…
アタシとむすこが結ばれてしまったことを…
許してください…
【墜落】
場所は、宇多津の海浜公園の恋人の聖地のモニュメントの前にて…
この日は、ゆうとの挙式披露宴の日であった…
恋人のモニュメントの前で結婚式をあげた後、全日空クレメントホテルで結婚披露宴を執り行う予定でありました。
予定通りに挙式披露宴の日を迎えることができたけれど、ほんとうのことを言えば『やっぱり、やめた方がよかったかもしれない…』と思っていたので、気持ちがイシュクしていた…
チーママさんにゆうとのお嫁さん探しを頼んでいたのに、前日になってチーママさんがコロッと忘れていたことに気がついてオタオタしていた…
チーママさんは、大急ぎでどうにかしないとと言うて、オイゴさんに『ゆうとさんのためにカノジョと別れて…』と言うて、オイゴさんを説得した…
チーママさんのオイゴさんの説得に時間を費やしていたので、挙式開始の予定時刻を40分遅らせてしまった…
ひどく生ぬるい形で挙式披露宴を挙げるので、ゆうとは『お嫁さんいらない…』と言うてものすごくつらい表情をしていた…
こんなことになるのだったら、ゆうとの結婚する時期を少しだけずらした方がいいみたい…
チーママさんにあやまっておこう…
しばらくして、チーママさんがアタシのもとにやって来ました。
チーママさんは、アタシに申し訳ない表情でこう言いました。
「けいこさん、申し訳ございません…オイゴの説得に時間がかかってしまったの…」
「チーママさん、やっぱり…挙式披露宴を延期…ううん…ゆうとの結婚の時期を…遅らせたいから、ゆうとの結婚自体を…やめさせます。」
「どうして?どうしてやめさせるのよ?」
チーママさんからの問いに対して、アタシは落ち着かない声で理由を言いました。
「ゆうとは24だけど…まだ早いので…少しだけ時期をずらしたいのです。」
「時期をずらすって…いつまでずらすのよ?」
「いつまでって…あと10年…ううん、あと15年…ずらします。」
「15年…それじゃあ、ゆうとさんは39になってしまうのよ!!」
「だって…今のゆうとのお給料じゃ…お嫁さんを十分にやしなうことができないの…かけもちのバイトをしても…食べて行くのがやっとの金額なのよ!!お嫁さんが専業主婦で通したいと言っているのに…お給料が少なかったら、結婚生活が成り立たなくなるの…それに…自分の夫が正社員じゃないと言われたら肩身のせまい思いをするのよ!!…だから…15年の間に、貯蓄を作れば…結婚できるのよ…40前で結婚した人もたくさんいるのよ!!…だからやっぱり…結婚やめさせます…」
アタシの言葉を聞いたチーママは、強烈な声をあげて怒っていた…
「あんたがそのようにしたいのであれば、好きにしなさい!!なんなのかしらあんたは一体…そういうあんたも、生ぬるい気持ちが原因で40前になってオタオタしていたのでしょ!!もうあきれたわ!!けいこさんがそのように言うのであれば、アタシはしらんけん!!結婚やめさせると言うのであれば、けいこさん自らが出ておことわりしてよね!!アタシはいっさい関知しないから!!」
チーママさんは、アタシに強烈な声で言ったあと、背中を向けて立ち去りました。
アタシは、どうすることもできずにぼう然とたたずんでいた…
そして、挙式が始まる20分前のことでありました。
アタシがおそれていた非常事態が発生してしまった…
花嫁さんが、泣きながら公園の外へ飛び出して行方不明になってしまった…
タキシード姿のゆうとが、大混乱におちいっているどさくさにまぎれて、アタシの手を取って公園の外へ飛び出して行きました。
この時、ひろみさんがその前を通りかかっていた…
ひろみさんは、アタシとゆうとが逃げて行くところを目撃してしまったので、なおもさわぎは拡大していた…
海浜公園から逃げ出したアタシとゆうとは、宇多津港の岸壁へやって来ました。
アタシはこの時、何が何だか分からなかったので、ゆうとにわけを話した…
「ゆうと…ねえ、どうしたのよ!?…ねえ、ゆうとってば…」
この時ゆうとは、アタシに『かあさんのことが好きなんだ…ぼくは…大好きなかあさんと結婚がしたいのだよ!!』とさけんでいました。
そこへ、ひろみさんがやって来ました。
「ゆうと…どうして…」
ひろみさんは、悲しみのあまり走って行ったので、ゆうとはひろみさんを追いかけて行きました。
ゆうとは、ひろみさんを追いかけてゴールドタワーの前にやって来ました。
「ひろみ!!待ってくれよ!!ひろみ!!」
「離してよ!!」
ひろみさんは、ゆうとに背中を向けて泣いていました。
「どうして、どうしてなのよ!?ねえ答えてよ!!アタシは、ゆうとのことが好きだったのよ!!だけど!!ゆうとがお見合い結婚をすると聞いて…アタシは今日、ゆうとに想いを伝えようと想ってきたのに…ゆうとは結局、おかあさんと結婚をしたかったわけなの!?もう耐えられない!!」
「ひろみ!!」
「そんなにおかあさんのことが好きならはじめからお嫁さんなんか必要なかったのよ!!もういいわよ!!ゆうととはもう別れるから!!」
ひろみさんは、なおも激しく声をあげて泣いていました。
ゆうとは、挙式披露宴を反古(ほご)にしてしまっただけではなく、ひろみさんの感情をも傷つけたので、ひどく落ち込んでいました。
その日の夕方、宇多津の海浜公園にて…
アタシは、ゆうととふたりでお話しをしていました。
「ゆうと!!どうして挙式を台なしにしてしまったのよ!?みなさまはカンカンに怒っていたわよ!!」
アタシの問いに対して、ゆうとはアタシに対する思いを伝えていた…
「かあさんが…好きだから…かあさんが大好きだから…結婚式をホゴにした…」
「ゆうと。」
ゆうとは、アタシに今の気持ちを伝えていた…
「かあさんが…かあさんのことが大好きなのだよ!!誰が何と言おうとも、ぼくはかあさんが大好きなのだよ!!かあさんが言ってたけど…かあさんはかあさん、女にはなれないって…そんなのあんまりだよ!!こんなにまで…かあさんのことを愛しているのだよ!!ぼくは…かあさんのことを…ずっと…抱きしめたいのだよ!!」
ゆうとの想いを聞いていたアタシは、かんきわまって、涙がポロポロとこぼしていた…
「ゆうと…」
うれしい…
どうしてこんなに…
涙がポロポロとこぼれているのかしら…
「かあさん。」
「ゆうと。」
「かあさん、大好きだよ…かあさんのことを抱きしめていたいよ。」
アタシは、ゆうとをふくよかな乳房(むね)に抱きしめまして、今の想いを打ち明けていた…
「ゆうと…愛してる…大好きよ…かわいい…」
それから2時間後のことであった…
アタシとゆうとは、香西北町にあるラブホに行きました。
うすぐらい灯りの部屋で、キャミソールとショートパンツ姿のアタシとたくましい体格のゆうとは、ベッドの上で抱き合っていた…
「ゆうと。」
「かあさん。」
「かあさんにキスして。」
ふたりの唇が重なった時、アタシの中で眠っていたゆうとへの想いが目ざめていた…
「ゆうと。」
「かあさん。」
「お願いゆうと…かあさんを抱いて…早く…」
「かあさん…かあさん好きだよ!!一緒に結婚しよう。」
「かあさんも、ゆうとのこと好きよ…抱いて…」
「かあさん。」
「ゆうと…ゆうと…」
アタシは、120分の間終始受け身になって、ゆうとに抱かれていた…
そして…
「かあさん!!」
「ゆうと!!」
「かあさん!!」
「ゆうと…かあさん…もうどうなってもいい…早く奪って…奪ってぇ…」
そして、最高潮にのぼりつめたその時…
アタシとゆうとはジゴクへ引きずられたあと、抜け出すことができなくなった…
アタシを愛してくれたカレは…
アタシが16の産んだ実のむすこでした。
アタシはこれから…
わが子と一緒にジゴクへ堕ちて行きます…
こんな形で終わることしかできない母子を…
どうか…許してください…
アタシとむすこが結ばれてしまったことを…
許してください…
【墜落】