【母子恋愛】かあさんの唄
第７話
８月９日、アタシは正式にダンナと離婚をしたので、北持田の家を売却したあと、高松へ移りました。
アタシはこの時、ゆうとさんへの想いがますます高まっていました。
これ以上、松山と高松で離ればなれになって暮らすのはイヤ…
今のアタシの気持ちは、どうすることもできないほどに苦しくて、切なくて…
もはやバースト寸前になっていました。
アタシは、松山のイメデリのコが目標の金額に達したので、生まれ故郷の志度(さぬき市)に帰って、お店を始めることを聞いていた…
この時アタシは、高松か近辺の地域のナイトワークの情報が知りたいので、どこかいいところがないのかとお願いをしていました。
イメデリのコから、高松市大工町に新規オープンするスナックがあるので、そこで働いてみたらどうかとすすめられたので、アタシはその店をたずねることにしました。
松山を出たあとは、ことでん片原町駅の近くにあるマンスリーマンションに移り住んで、新しい生活を始めることにしました。
ゆうとさんが暮らしている円座町へは、ことでん本線の電車で行けばすぐの距離なので、会いたくなったらいつでも会いに行くことができます。
８月14日のことでありました。
アタシはゆうとさんにメールで『お昼ごはんを食べに行かない？』と書いて、ゆうとさんのスマホに送信しました。
ゆうとさんからの返信で『宇多津のおか泉(うどん屋さん)に行かない？』と言うメールが来たので、アタシは待ち合わせの時間を伝えました。
正午過ぎのことでありました。
ふたりは、JR宇多津駅の南口から南へ歩いて12分のところにあるおか泉(うどん屋さん)へ行きました。
ふたりは、この店のメインディッシュのひや天おろしうどんを注文して、ランチを摂っていた…
ランチのあと、アタシはゆうとさんにダンナと離婚をしたことを話した…
「あのねゆうとさん、アタシね…先週ダンナと離婚をしたわ…離婚届を出したあと、家を売却をして、松山を出てきたわ…」
「ダンナと離婚をしたって？」
「そうよ…元々、アタシとダンナは相性が悪かったのよ…やっぱり、周囲の反対を押しきって強引に結婚したのがいかんかったみたい…」
「それで、松山を出たあと、どこで暮らすのかな？」
「どこって、高松で暮らすわよ。」
「えっ？高松で暮らすって？」
「本当よ…アタシね、片原町の駅の近くにあるアパートに移り住んだの…」
「ちょうどいいや…そうだ、かあさんに話そうと思っていたことがあるのだよ。」
ゆうとさんは、ひと間隔あけてからアタシにこう言いました。
「かあさん。」
「なあに？」
「ぼく…円座の家を出ようと思っているのだよ。」
「お家（おうち）を出るって？」
「ぼくは、本気で家を出るのだよ。」
「だけど…せっかくご家族と一緒に仲良く暮らしているのに…ゆうとさんが出ていったら、ご家族のみなさまが心細い心細いと言うわよ。」
「だから、それがよくないのだよ。」
「どうして？」
「どうしてって…ぼくは24なんだよ!!いつまでも子供じゃないのだよ!!」
「分かってるよぅ…」
「それじゃあ聞くけどさ、男がひとり暮らしをすることはいかんと言うことなのかよ!!」
「いかんとは言うてないわよぉ。」
「それじゃあ、どう言うところがいかんと言うのだよ!?何だかんだ言って、結局はごはんのことがあるからいかんと言うことなのかよ!?」
「ゆうとさん。」
ゆうとさんは、おもむろな表彰でアタシにこう言いました。
「円座の家を出たい理由は…両親とシングルの姉が…結婚のことをめぐって対立が続いていたのだけど、ようやく一定のメドが立ったのです。」
「お姉さんの結婚問題が解決できたのね…それで、お相手の人は？」
「両親は、姉の結婚相手は…ムコヨウシにすることを決めました。」
「ムコヨウシ…それじゃあ、お兄さん夫婦はどうするのよ？」
「兄貴は、会社から勝瑞(しょうずい・徳島県)に転勤しろと言われたので、現地のガソリンスタンドの店長職を命ぜられたのです…現地に住むところがないので、新しい家がみつかるまでの間、北島町の兄嫁の実家にいさせてもらうことになりました。」
「そうだったのね。」
「ええ。」
「でもね…だからと言って…今暮らしている家を出る必要があるとは限らないわよ。」
アタシが口ごもった声で言うたので、ゆうとさんはますますヤッキになってしまいました。
「だからどうして、否定的になるのだよ!?」
「どうしてって…せっかくご家族と仲よく暮らしているのに、ゆうとさんが出ていったらご家族は心細い思いをすると思うよ。」
「できないよそんなことは!!」
「ゆうとさん!!」
「オヤジもオフクロも、姉貴のおむこさんのことがかわいいかわいいと言うて超えこひいきしているのだよ!!防衛大学校を優秀な成績で卒業して、香川地協の本部長で、年収900万円なんだよ…ぼくはフリーアルバイターで、ギリギリの単位でやっと高校を卒業したのだよ!!そのように考えれば、オヤジとオフクロは防衛大学を出たむこの方がかわいいのだよ!!かあさんに、自分の両親がよそもんばかりを超えこひいきしていることが原因でのけ者にされたぼくの気持ちなんかわかってたまるか!!」
ゆうとさんは、アタシにこう言った後アタシに千円札２枚を差し出して『帰る。』と言うて帰ってしまいました。
ひとり取り残されたアタシは、ゆうとさんを傷つけてしまったと思って落ち込んでいました。
アタシは、ゆうとさんが16の時に別れたわが子だと言うことを知ってしまったあの日から、気持ちがよそよそしくなっていました。
アタシは、ゆうとさんに親の気持ちになって言うただけなのに、どうしてゆうとさんはヤッキになってしまったのかな？
アタシはそんなことを思いながら、何度も何度も自分ばかりを責めていました。
アタシはこの時、ゆうとさんへの想いがますます高まっていました。
これ以上、松山と高松で離ればなれになって暮らすのはイヤ…
今のアタシの気持ちは、どうすることもできないほどに苦しくて、切なくて…
もはやバースト寸前になっていました。
アタシは、松山のイメデリのコが目標の金額に達したので、生まれ故郷の志度(さぬき市)に帰って、お店を始めることを聞いていた…
この時アタシは、高松か近辺の地域のナイトワークの情報が知りたいので、どこかいいところがないのかとお願いをしていました。
イメデリのコから、高松市大工町に新規オープンするスナックがあるので、そこで働いてみたらどうかとすすめられたので、アタシはその店をたずねることにしました。
松山を出たあとは、ことでん片原町駅の近くにあるマンスリーマンションに移り住んで、新しい生活を始めることにしました。
ゆうとさんが暮らしている円座町へは、ことでん本線の電車で行けばすぐの距離なので、会いたくなったらいつでも会いに行くことができます。
８月14日のことでありました。
アタシはゆうとさんにメールで『お昼ごはんを食べに行かない？』と書いて、ゆうとさんのスマホに送信しました。
ゆうとさんからの返信で『宇多津のおか泉(うどん屋さん)に行かない？』と言うメールが来たので、アタシは待ち合わせの時間を伝えました。
正午過ぎのことでありました。
ふたりは、JR宇多津駅の南口から南へ歩いて12分のところにあるおか泉(うどん屋さん)へ行きました。
ふたりは、この店のメインディッシュのひや天おろしうどんを注文して、ランチを摂っていた…
ランチのあと、アタシはゆうとさんにダンナと離婚をしたことを話した…
「あのねゆうとさん、アタシね…先週ダンナと離婚をしたわ…離婚届を出したあと、家を売却をして、松山を出てきたわ…」
「ダンナと離婚をしたって？」
「そうよ…元々、アタシとダンナは相性が悪かったのよ…やっぱり、周囲の反対を押しきって強引に結婚したのがいかんかったみたい…」
「それで、松山を出たあと、どこで暮らすのかな？」
「どこって、高松で暮らすわよ。」
「えっ？高松で暮らすって？」
「本当よ…アタシね、片原町の駅の近くにあるアパートに移り住んだの…」
「ちょうどいいや…そうだ、かあさんに話そうと思っていたことがあるのだよ。」
ゆうとさんは、ひと間隔あけてからアタシにこう言いました。
「かあさん。」
「なあに？」
「ぼく…円座の家を出ようと思っているのだよ。」
「お家（おうち）を出るって？」
「ぼくは、本気で家を出るのだよ。」
「だけど…せっかくご家族と一緒に仲良く暮らしているのに…ゆうとさんが出ていったら、ご家族のみなさまが心細い心細いと言うわよ。」
「だから、それがよくないのだよ。」
「どうして？」
「どうしてって…ぼくは24なんだよ!!いつまでも子供じゃないのだよ!!」
「分かってるよぅ…」
「それじゃあ聞くけどさ、男がひとり暮らしをすることはいかんと言うことなのかよ!!」
「いかんとは言うてないわよぉ。」
「それじゃあ、どう言うところがいかんと言うのだよ!?何だかんだ言って、結局はごはんのことがあるからいかんと言うことなのかよ!?」
「ゆうとさん。」
ゆうとさんは、おもむろな表彰でアタシにこう言いました。
「円座の家を出たい理由は…両親とシングルの姉が…結婚のことをめぐって対立が続いていたのだけど、ようやく一定のメドが立ったのです。」
「お姉さんの結婚問題が解決できたのね…それで、お相手の人は？」
「両親は、姉の結婚相手は…ムコヨウシにすることを決めました。」
「ムコヨウシ…それじゃあ、お兄さん夫婦はどうするのよ？」
「兄貴は、会社から勝瑞(しょうずい・徳島県)に転勤しろと言われたので、現地のガソリンスタンドの店長職を命ぜられたのです…現地に住むところがないので、新しい家がみつかるまでの間、北島町の兄嫁の実家にいさせてもらうことになりました。」
「そうだったのね。」
「ええ。」
「でもね…だからと言って…今暮らしている家を出る必要があるとは限らないわよ。」
アタシが口ごもった声で言うたので、ゆうとさんはますますヤッキになってしまいました。
「だからどうして、否定的になるのだよ!?」
「どうしてって…せっかくご家族と仲よく暮らしているのに、ゆうとさんが出ていったらご家族は心細い思いをすると思うよ。」
「できないよそんなことは!!」
「ゆうとさん!!」
「オヤジもオフクロも、姉貴のおむこさんのことがかわいいかわいいと言うて超えこひいきしているのだよ!!防衛大学校を優秀な成績で卒業して、香川地協の本部長で、年収900万円なんだよ…ぼくはフリーアルバイターで、ギリギリの単位でやっと高校を卒業したのだよ!!そのように考えれば、オヤジとオフクロは防衛大学を出たむこの方がかわいいのだよ!!かあさんに、自分の両親がよそもんばかりを超えこひいきしていることが原因でのけ者にされたぼくの気持ちなんかわかってたまるか!!」
ゆうとさんは、アタシにこう言った後アタシに千円札２枚を差し出して『帰る。』と言うて帰ってしまいました。
ひとり取り残されたアタシは、ゆうとさんを傷つけてしまったと思って落ち込んでいました。
アタシは、ゆうとさんが16の時に別れたわが子だと言うことを知ってしまったあの日から、気持ちがよそよそしくなっていました。
アタシは、ゆうとさんに親の気持ちになって言うただけなのに、どうしてゆうとさんはヤッキになってしまったのかな？
アタシはそんなことを思いながら、何度も何度も自分ばかりを責めていました。
