ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活


だけど、日々の忙しさに流されて
こんなにも深く考えたりすることは今までなかった

というより、考えないようにしていたのかもしれない


でも、渡辺さんとのカウンセリングを進めていく中で
そのデータがより頭の中から離れられなくなってしまった


「夫がダメな私に気を遣い過ぎて・・・」


その言葉に私は
ナオフミさんを想い浮かべてしまったから



私のダンナさまであり
同じ病院で働くナオフミさん

カウンセリングルームにやって来てくれる
昼休みのナオフミさんは
唇に、そして首筋にキスを落としたりして
スキだという気持ちをわかりやすく伝えてくれる
多分、それ以上はカウンセリングルームという場所ではできない
・・・・そうわかっているから


でもそこだけじゃなくて家でもそう

ナオフミさんは私に
優しく触れてくれる
溶けそうなくらい優しく

でもそれ以上彼は
決して踏み込んでこない

それをなぜだろう?と思う気持ち以上に
ほんのわずかほっとする自分がいて・・・

ついこの間までは
臨床心理士として半人前の自分は
産科医師としてバリバリ仕事をこなしているナオフミさんと釣り合っていない
その程度しか思っていなかったけれど


その後、臨床心理士としていろんなクライアントに出会い、それに伴っていろいろなことも調べていくうちに
自分が2人目の子供を産むということに対する不安も抱くようになっていた

2人目の子供=ナオフミさんとの子供
だから
ナオフミさんと“それ以上”がない状況に
ほんのちょっぴりほっとしてしまう自分がいたんだ


でもナオフミさんはどうなんだろう?


もしかして
まだ、私が臨床心理士として従事し始めて間もない現状において
また子供ができたら大変になるとか
そんなことをナオフミさんは気にしてくれてる・・とか?

でも、もし子供を作らないほうがいいから最後までしないというのなら避妊具を使えばいい

だけどナオフミさんはそれを使う前にやめてしまう



もしかして


ただ単に、私に魅力とかがなくて
それ以上を求めてこないのかな?


もしそうなら切ない

本当のところどうなんだろう?

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