ラヴシークレットルーム Ⅲ お医者さんとの秘密な溺愛生活




『・・・ナオフミさん・・・』

沈黙のままである空気に耐えられなくなった私が彼の名前を呼んだ。



その声に反応したのか
彼は更に目を凝らしてから前髪をクシュっとかきあげた。


そして


「震えてるのに・・・?こんなにも・・・・だ。」


彼がそう言った直後
私のおへその下に落ちてきた
そっと触れるだけのキス。



「伶菜・・・・・」


そのキスによって
私が自分のカラダがひどく震えているのに気がついた。



止めようとしても止まらない
ガクガクと震え続けるカラダ





『怖くなんてない・・・ダイスキなんだよ。』

「・・・・・・・・・・・」




怖いんじゃないのに
ナオフミさんのことダイスキなのに



『緊張してるだけ、、、だよ。きっと』

「・・・・・・・・・・・・・」



だからそう言ったのに
ついさっきまでの彼とは別人のように心配気に私を見つめてくるナオフミさんにそう言ったのに
それでもカラダは勝手に震えていて・・・



勝手に

無意識に




『無意識・・・・・・』




もしかして私
考えないようにしていた不安要素が
自分をまっすぐに求めてきたナオフミさんとのやりとりによって
表面化してしまったのかもしれない



ナオフミさんとの子供ができる可能性があること
そして
その子供がなんらかの障害を持って産まれてくるかもしれないこと
・・・・そんな不安要素


『私、、、どうしたら・・・』



彼と向き合いたいのに向き合えていない自分がどうしたらいいのかわからない
多分困惑しているであろう彼に気の利いた言葉も出てこない

出てくるのは涙ばかりで・・・・






「・・・すまない」



< 123 / 367 >

この作品をシェア

pagetop